ちょっと調べた.雑に調べたので間違ってる箇所もありそう.間違ってたらTwitterにリプください.
きっかけ
先日,このようなニュースが報道された.
函館市長 外国人材支援策を検討 #函館市 #函館局https://t.co/SwzxzXinrN
— NHK北海道 (@nhk_hokkaido) December 27, 2018
このニュースでは函館市として外国人材の定着に向けた支援策を行う考えがあることを報じている.
これに対するTwitter上の意見として「若者の函館離れを懸念すべき」というものがあった.
それに対し私は,以前見た公立はこだて未来大学のデジタルパンフレットに含まれる,函館に就職する人の少なさを思い出した.
しかし,他大学については調べたことがなかったため,函館の大学を卒業しそのまま函館に就職する人の割合について軽く調べてみた.
対象とした大学
函館市のWikipediaに記載されている大学の中で,大学と短期大学と記載されているものを対象とした.よって,対象となったのは以下の6つである.
- 国立北海道大学水産学部
- 北海道教育大学 函館校
- 公立はこだて未来大学
- 函館大学
- 函館大谷短期大学
- 函館短期大学
調査方法
本格的に調査を行う余裕と気力が私にはなかったため,ネット上の情報のみを使用することとした.
主に大学の就職状況に関するページから地域別の割合や人数を抽出している.
注意点として,項目が「函館市」「北海道内で札幌以外」「本社所在地が函館」など,項目名がブレている部分がある.また,情報元の年度が1年程度ずれていることがある.
今回はおおよその傾向がつかめれば良いと考えているため,上記の2点については誤差として考える.
調査結果
結果は以下の表のようになった.また,URLをクリックしたい人のためにpdfも添付しておく.
函館就職について
上記の表より,北海道大学水産学部と函館大学は8割程度が函館市外へ就職していることがわかる.また,公立はこだて未来大学では9割以上が函館市外へ就職している.
その一方で短期大学は函館市で就職する割合が高く,函館大谷短期大学では8割程度(こども学科が学生の7割を占めるらしいのでそう考える)が函館に就職している.また,函館短期大学ではおよそ半数が函館市で就職していることがわかる.
よって,短期大学では函館に就職する学生が多いが,それ以外の大学では多くの学生が函館から出ていくことがわかった.
道内就職について
次に道内就職率について考える.
北大水産学部については,修士の学生が多いため北大水産学部全体での道内就職率は44/153=28.8%となる(学生の総数については表のURLの資料を参照).また,公立はこだて未来大学と函館大学では道内就職率が4割に満たないことがわかる.
その一方で短期大学の道内就職率は高く,函館大谷短期大学はほとんどの学生が道内で就職し,函館短期大学も8割以上が道内で就職している.
よって,短期大学では道内就職率が非常に高く,それ以外の大学では道内就職率が4割を下回る結果であることがわかった.
函館への就職率は高いのか
道内かつ複数の大学がある都市と比較する.なお,引用する資料では短期大学を調査に含めていないようなので,ここでは短期大学を除いて考える.
札幌市
道銀地域総合研究所は平成26年に札幌の大学生を対象に調査を行い,その結果を『市内大学生等地元就職促進施策検討に係るヒアリング等調査業務報告書 』として報告している.
p11には就職先の割合が記載されており,大学の学部生の46.9%,院生の26.3%が札幌で就職することが分かる.
旭川市
旭川市総合政策部政策調整課による『旭川市における高等教育機関に関する調査報告書』では,p19に大学卒就職決定者数のうち旭川市に就職する割合は30.4%であると記載されている.
釧路市
釧路市には北海道教育大学釧路校と釧路公立大学の2つの大学が存在する.
釧路公立大学に関しては釧路管内の就職率を『卒業又は修了した者の数並びに進学者数及び就職者数』で公開している.平成26~28年度では92/735=12.5%が釧路管内に就職したことがわかる.
結果
まとめると以下のようになる.
- 札幌市:学部46.9%,院生26.3%
- 旭川市:30.4%
- 釧路市:12.5%(釧路公立大学)
- 函館市:表を参照.
表と比較して,函館への就職率は比較的低い方になると考える.
道内就職率は高いのか
道内の大学の道内就職率について
ここで,”道内”の大学の道内就職率 と “函館”の大学の道内就職率 を比較してみる.
北海道労働局が発表した『平成30年3月新規大学等卒業者の就職状況』によると,道内就職者の割合は 60.4%となっている.
道内就職率の比較
北海道労働局の調査には短期大学が含まれていないようなので,比較については短期大学を除外する.
先の2つの道内就職率についてまとめると,
- 函館の大学では道内就職率が4割を下回る.
- 道内の大学の道内就職率は60.4%.
となる.よって,上記の2点から,函館の大学は道内の大学と比較して,2割ほど道内就職率が低いということが分かる.
「若者の函館離れ」というのは,函館どころか北海道からも離れているということだろうか…
雑な考察
大学の函館への就職率が比較的低く,道内への就職率も低いことがわかった.
つまり,函館の大学を卒業する人は函館に定着せず,脱北傾向が強いことがわかる.
その一方で短期大学の学生は函館に留まる傾向が強いこともわかった.
私個人の意見
函館での就職率の低さの原因については様々な物が考えられるが,情報系に関しては単純に企業が少ないという点が最も大きいと思う.
また,その他給与や公共交通機関など,札幌や関東圏と比較すると,どうしても見劣りする部分も出てくる.札幌の地下鉄はとても便利だし.
とは言っても函館の空港も便利で,空港のおかげで札幌や東京に気軽に行ける.
函館の外に就職や進学するときにはとても便利で助かる.新幹線は函館市に来てないからわからないけど.
そういえば,今月で棒二森屋が閉店するそうで心配になる.
私が以前住んでいた苫小牧でも駅直結ビルが潰れ,駅の真横に高齢者向け施設が建ち,バスターミナルが潰れ,ひどい寂れようになってしまった.
函館は観光資源もあるので大丈夫だろうが,強く生きてほしい.
観光と言えば,五稜郭や朝市,函館山の旧日本三大夜景など様々なものがあって,そこは良いところだと思う.
ただ,観光地としては良いけど住むにはちょっと……と思うことがあったりする.
とても個人的で大多数の人にはどうでも良いことだろうけど,電子部品を売っている店が近くにほしい.
私は就職ではなく進学で関東圏に行くが,正直に行って函館に戻るつもりはないし,北海道に戻るとしたら実家のある札幌だと思う.
現状では市外へ流出する学生の数は多く,そう考えると外国人材に着目するのは良いかもしれない.
函館が外国人材が定着するほど良い地域になることを祈る.