おれは卒研を変えるぞ!ジョジョーーッ!!

タイトルの通り,卒業研究のテーマを変えます.

これまでは「FPGA上でMontgomery曲線を用いたECDSAを実装する」というのが目的であったが,いろいろあってこのテーマは辞めることとした.
電子情報通信学会によると,論文において最も評価されるのは以下の4点である.

  • 新規性:論文の内容に著者の新規性があること.
  • 有効性:論文の内容が学術や産業の発展に何らかの意味で役立つものであること.
  • 信頼性:論文の内容が読者から見て信頼のおけるものであること.
  • 了解性:論旨の展開が十分理解しやすく、順序立てて明瞭に記述してあること.

このうち,信頼性と了解性についてはテーマに関わらず頑張れば質を上げることができそう.
しかし,新規性に関しては「既に実用化されており,特許も出願されている.使われていないのは特許料の問題.」とのことで,車輪の再発明となりそう.これはあまり好ましくない.
また,有効性に関しても射影座標を用いたMontgomery曲線ではdouble and addやStraus’s algorithmが使えないため,速度で張り合うのは厳しいのではないかと感じた.他にもなにか一工夫加えることはできないかと考えたが,特に何も思いつかなかった.そもそもMontgomery曲線を用いただけで高速になるなら,世の中ではそちらの方が主流となるはず….サイドチャネル攻撃に関しても,バイナリ法はkのビットが1のときに加算が必要となり消費電力などのパターンからkが推測できるはずであったが,ARMがサイドチャネル攻撃に耐性を持つプロセッサIPを出すなどサイドチャネル攻撃に耐性を持つものが増え,Montgomery ladderを使うメリットも薄れてきている.
 
新しい卒研テーマとしては,高専の卒研の続きとする.前の卒研は不十分な点が多く改良したいところが残っている.以下に改良点をいくつか示す.

  • 鍵や初期化ベクトルの管理はソースコードに埋め込んでいた.しかし鍵や初期化ベクトルの使い回しは危険であるため鍵共有を用いて毎回別のものを使用したい.
  • キーボードからUSBでキー入力を受け取り それを暗号化した後にUSBでPC側に送っていた.しかし,直接キーマトリクスからキー入力を受け取りたい.
  • PC上の復号ソフトウェアをデバイスドライバとして書き直したい.無理であれば通常のアプリケーションとして作成し,起動時に立ち上がるサービスとして登録する.
  • 回路の小型化を行いキーボードの筐体内に収まるようにする.

 
今後は院試の勉強を行いつつ,ほどほどに卒研を進める.